Lecture documents 講義資料

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東北大:大学院講義
九州大:大学院集中講義

東北大学大学院工学研究科 マテリアル・開発系
2020年度
非平衡物質工学・市坪担当分.pdf
相変態論(外国人向け英語講義)
材料科学の最前線 第14回資料
金研夏期講習会 資料

九州大学 集中講義「相転移の基礎と応用」
2020年度
相転移の基礎と応用1:熱統計編
相転移の基礎と応用2:組織形成編
相転移の基礎と応用3:ガラス物理編

九州大学大学院特別講義について
題目:相転移の基礎と応用
講師: 市坪 哲 (東北大学金属材料研究所・教授)

日時:
2021年1月18日(月)3〜4限(13:00〜16:20、20分間の休憩含)
2021年1月19日(火)3〜4限(13:00〜16:20、20分間の休憩含)
2021年1月20日(水)3〜4限(13:00〜16:20、20分間の休憩含)

場所:オンライン(zoom)

概要:
 相転移は相や構造が外的要因で変化する現象である.すなわち,外的要因である温度変化や磁場・応力場などを印加することにより,材料の新たな構造機能特性を生み出したり,向上させたりすることが可能となる.よって,相転移現象を理解し制御することは,材料科学の領域において学問上・工学上において非常に重要となり,そのためには相転移の基礎となる熱力学・統計熱力学の学問体系および手法のスキームを学ぶことが必要不可欠である.
 そこで,本集中講義では,自由エネルギーや化学ポテンシャルなどの概念などを復習し,実際の相転移・相変化挙動について,熱力学の応用例を混じえながら講述する.普段から習得する圧力の場合のみならず,磁場や応力場などの他の外場を導入した場合の熱力学関数の普遍的な取扱い方を説明し応用力を培う.熱力学と統計物理学の立場の違いを明確にし,統計物理学への導入を自然な形で行い,ミクロカノニカル法(Eを指定してWを数える方法)およびカノニカル法(状態和を計算する方法)の相違点および類似点,そして解として同一のものを与えることを証明し,いくつかのモデル例を挙げながら説明する.そして近似法としては,ミクロカノニカルにおける点近似とカノニカル法における平均場近似が同一解を与えることを示す.さらなる状態和の計算において,状態ベクトルを指定してハミルトニアンを行列で表現化することを考え,対角化したのちトレースを取る方法を紹介し,転送行列法(ここでは触れない)などへの展開につなげる.
 合金学や材料学に適用されるミクロカノニカル法の応用例として,点近似あるいはBragg-Williams 近似などからクラスター変分法(CVM)などの近似法の階層を挙げた方法を説明し,数値シミュレーションであるモンテカルロ法との比較について説明する.次いで,連続体理論であるランダウ現象論への拡張およびその連続体モデル速度論方程式の考え方,連続体へ拡張容易なマイクロメカニクスの基礎を述べた上で,シミュレーション技法であるTDGLやPhase-field法に適用する方法を述べる.最後に,熱力学的な扱いが困難であるガラス転移などの最近の研究や話題など最近の研究を具体例に出しながら解説する予定である.またガラス転移および結晶化の応用として,その動的相転移および光誘起相変化などについても述べる.